前年比はプラス、前月比はマイナスでした

日本銀行が10月13日8時50分に公表した9月の企業物価指数速報で、国内企業物価は前年同月比6.8%上昇、前月比0.3%下落となりました。2020年平均を100とする指数は135.7です。

1年前との比較では価格水準が高く、直前の8月との比較では下がったという結果です。この二つは矛盾しません。前年同月比のプラスだけで足元も値上がりしたと読んだり、前月比のマイナスだけで1年前より安くなったと読んだりしないよう、比較する時点を分けて見てみましょう。

米や燃料の項目が下落方向に寄与

前月比を押し下げた主な類別は農林水産物と石油・石炭製品です。日銀は前者の主な品目として玄米、精米、豚肉、後者として重油や軽油などを挙げています。一方、電力・都市ガス・水道や飲食料品などは、上昇方向に寄与しました。

総平均が下がっても、すべての商品の価格が同じ方向へ動くわけではありません。家計に関係が深い品目名が並んでいても、ここで観測しているのは企業間の価格です。スーパーの米や飲料がそのまま同率で値下がりしたという意味ではなく、店頭価格は売り場の表示で確認する必要があります。

企業物価と消費者物価は、見る取引が違います

企業物価指数は企業間で取引されるモノの価格変動を測る統計です。国内企業物価は、国内で生産された国内向けの財について、原則として生産者の出荷段階の価格を調べます。日銀は、需給や景気の動きを判断するための指標として説明しています。

対して、家計の購入する商品やサービスの価格を捉える消費者物価指数とは、対象とする取引や品目の組み合わせが異なります。今回の6.8%を、自分の生活費の増加率に置き換えることはできません。企業側の取引価格の動向と、日々の買い物の実際の負担を分けて読むと、数字の意味がつかみやすくなります。

輸入物価は円ベースと契約通貨ベースを分けて

9月の輸入物価は、円ベースで前月比0.2%下落、前年同月比24.5%上昇。一方、契約通貨ベースでは前月比1.0%上昇でした。同じ輸入取引でも、どの通貨で価格を捉えるかによって数字が異なります。

今回の発表は9月の速報で、10月の価格を示すものではありません。資料には過去の訂正値も区別して掲載されています。後日数字が改定される可能性を踏まえ、最新の発表を比較するときは対象月、比較期間、通貨ベースの三つをそろえて確認しましょう。

出典と確認時点

確認:2026/10/13 19:05 JST。本文はこの時点で確認できた情報を当サイトが要約・構成したものです。その後の変更は出典でご確認ください。

文:ヨルセレクト / 記事のイメージ画像はテーマを基にしたAI生成画像です。実際の商品・施設・人物・出来事を撮影したものではありません。